母が倒れて自分が失ったものは大きい。
それは自分がマザコンというわけではない。
むしろかなりドライな方だろう。
娘にとっての安全基地の一つとしての祖母。
それを失ったのが一番大きい。
これは自分が倒れた時に、娘を保護してくれる親族がいると思える方が、
自分自身が安心できるという点である。
まあ細かいことを言えば、金銭面も多少は助かっていた。
娘のおもちゃとか、妻と娘とたまに自分の昼食代等々だけど。
脳出血がそのすべてを奪っていった。
奪い、失われただけではなく、
負担までやってきた。
今では、24時間、介護事業者が世話をしてくれているが、
最初の二ヶ月は、自分と実家家族と、一般的な介護サービスの利用のみで介護をしていた。
「母が消えないと、人生が終わる」
本当にそう想った。
仕事をしていられない。
かといって、実家家族だけに負担をさせると、彼らが倒れる。
まだ安心できたのは週3のデイサービスの利用時だけだった。